犯罪・刑事事件の解決事例
#親権 . #慰謝料 . #離婚請求 . #生活費を入れない . #財産分与 . #不倫・浮気

離婚後2年経ってから財産分与について取り決めをした事例

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関 範子 弁護士が解決
所属事務所やよい共同法律事務所
所在地東京都 港区

この事例の依頼主

30代 女性

相談前の状況

私は、夫の不貞が原因で離婚しましたが、通学の関係で、中学生の子どもと二人で、これまで家族で住んでいた家(夫名義で、結婚後に購入したもの)に住み続け、元夫は自分の実家に戻り、そこから職場に通勤するという形を取っていました。私達は、離婚の際、子どもの親権者を私にする、ということだけは決めましたが、養育費や不貞慰謝料、また、現在私が子どもと住み続けている家をどうするのか(財産分与)等については、一切何も決めていませんでした。元夫は、「養育費はそのうち払う」「家は、近いうちに売却して、代金を折半しよう」等と口では言っていましたが、具体的な話し合いをしようとはしませんでした。そうこうしているうちに、私も日々の多忙な生活に紛れてしまい、気付いたら、離婚から2年近くが経とうとしていました。さすがの私も、いつまでたってもまともに話し合いを始めようとしない元夫にあきれ、養育費や慰謝料、財産分与について、しっかり書面で取り決めを交わしたいと思いましたので、弁護士に相談しました。

解決への流れ

弁護士に相談したところ、財産分与については、離婚後2年経つと請求ができなくなり、それまでに話し合いで解決できなければ、調停を起こすしかないと言われましたので、すぐに元夫との交渉を依頼しました。その結果、財産分与はもとより、養育費や慰謝料のことも含めた合意を成立させることができ、一安心しました。

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関 範子 弁護士からのコメント

離婚時に財産分与について取り決めをしていなくても、離婚後2年経つまでは、元配偶者に請求する権利はあります。しかし、離婚後2年経ってしまうと、除斥期間により、請求ができなくなるので注意が必要です(民法768条2項但書)。本件の相談者は、お子様の親権者だけを決めて、夫と協議離婚しました。養育費や慰謝料、財産分与については、「後からおいおい話し合って決めよう」という口約束しかなく、具体的な話し合いはほとんど進んでいませんでした。私のところにご相談にいらした時点で、あと4カ月ほどで離婚から2年が経つ、という状況でしたので、とにかく元夫との交渉を本格的に始める必要があるとアドバイスしたところ、ご依頼いただきました。元夫に連絡したところ、元夫もすぐに弁護士に依頼したため、その後の話し合いは比較的スムーズに進みました。もっとも、財産分与請求権の除斥期間は、交渉をしているからといって、中断や完成猶予が認められるものではありません。そのため、除斥期間が経過するまでに合意が成立しなければ、調停を申し立てる必要がありました。しかし、調停は時間も費用もかかることから、相談者はなるべく交渉での解決を望んでおり、事態は依然として切迫していました。そこで、調停になれば、当然相手方である元夫にとっても、時間と費用がかかることになる点に注目し、「離婚成立から2年が経過しても、財産分与の話し合いに応じる」旨の一筆を、元夫から差し入れてもらいました。その結果、離婚成立から2年3カ月ほど経った時点でしたが、財産分与のみならず、養育費や慰謝料も含めた合意を成立させることができました。