この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
不動産複数などの財産のある方が、高齢になり、新型コロナ感染症が発生する中で、子供たちにどう遺産を残すのか、老後の生活をどうするのかが不安となり、ご相談に来られました。
解決への流れ
ご相談をきっかけにお子様との話し合いもでき、売却する不動産と残す不動産を整理したうえで、弁護士と文案を協議して公正証書遺言を作成しました。また、公正証書遺言作成をきっかけに、老後の不安についてもご家族を交えて話し合いができ、公証役場にて、お子様を任意後見人とする任意後見契約をしました。
民法の改正もあり、自筆証書遺言にするか公正証書遺言にするか迷っておられましたが、結局、公正証書遺言であれば、亡くなった後に遺言書の有効無効を争われにくいこと、謄本が複数できて、自分の手元にも置いておけるし、信頼できる方にもお預けもできることから、公正証書遺言作成の方法をお選びになりました。また、今後、ご自身に介護が必要になったり認知症になったときの不安もあったので、この機会に、信頼できるお子様との間で、公証役場にて任意後見契約を結び、ご自身が認知症等になったときには、どのように財産を管理していってもらいたいか、どう介護をしてもらいたいかなどについても、お子様と話し合いをすることができました。任意後見契約の場合、認知症等になったときには、任意後見人になる予定の方が裁判所に後見監督人選任の申立をすることにより、任意後見人が定められた代理権を法的に有効に行使することができるようになります。親子間だけで約束をしていただけでは、いざというときに本人でないという理由で、各種権利行使や手続きができなくなるおそれがあります。公証役場で任意後見契約をしたことにより、金融機関の取引や不動産の管理などにおいても不安がなくなりましたし、認知症になったら、どう暮らしていくことになるかの不安も解消することができました。