この事例の依頼主
男性
相談前の状況
派遣社員のBさんは、交通事故に遭い、首の骨が変形してしまいました。首の痛みに加えて、手のしびれが発症したため、手術(椎弓形成術)を行いましたが、やはり痛みとしびれが残ってしまいました。そのため、仕事にも支障が生じ、その結果、期間社員として採用してもらえるという話がなくなってしまいました。治療終了後、自賠責で後遺障害併合10級(脊柱変形+神経症状)が認定されたものの、相手保険会社の担当者からは「10級とはいっても、骨が変形しただけなら、仕事への実害はないでしょう。実際はせいぜい12級と同程度だろうから、12級と同じ額しか示談金は払わないよ」などと言われてしまいました。Bさんは、「骨が変形しただけ」とか、「10級なのに12級と同じくらいしか払わない」などという発言に不信感を抱き、私の所に相談に来られました。
解決への流れ
Bさんの症状について精査したところ、骨が変形してしまったことによって、体を支える機能が低下した可能性が高いことが明らかになり、今後、様々な支障が出る可能性が否定できないことが明らかになりました。確かに、相手保険会社の担当者がいうように、骨の変形を低く評価した裁判例が複数あるのも事実ですが、他方で、骨の変形がもたらす様々な支障を具体的に検討し、賠償額に反映させた裁判例も少なくありません。こういった裁判例の動向をふまえつつ、Bさんの症状や仕事への支障を具体的に指摘することで、当初、相手が提示してきた示談金額を大幅にアップさせることに成功しました。
このケースのような、骨の変形や顔のキズに関しては、保険会社の担当者は、「骨が変形しても実害はないでしょう」とか、「モデルさんとかならともかく、普通の仕事をしている人なら、顔にキズがあっても影響はないでしょう」といった主張をしてくることが多い印象です。もちろん、そういった趣旨の裁判例がないわけではなく、全く根拠のない主張とまではいえないのかもしれませんが、他方で、案件を個別具体的に精査した上で相応の賠償額を認めている裁判例もあります。要するに、相手の主張はあまりに一方的な主張なのでそれを鵜呑みにしてしまっては、示談金が不当に低くなってしまいます。そうならないように、まずは経験豊富な弁護士へお気軽にご相談いただければと思います。