この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
相談者の弟さんが、遺産分割の手続に必要な書類を着々とそろえつつも、遺産の内容をあまり明確にしないことから不信感を持つに至り、相談に見えました。
解決への流れ
お話しをうかがう限り、優遇を受けていたと感じておられる点は、子どもの頃から生活の中で少しずつ異なった対応をされていた点が中心でした。また、弟が仕事場や自宅を建てた時に親から大きな金額を出してもらったようではあったので、特別受益であるといえる可能性もありましたが、明確な証拠はありませんでした。そのため、弟が特別受益を受けていることを理由に、遺産分割でこれまでの不平等を解消することは難しいとは思われましたが、どうしても納得がいかないという意向もあり、特別受益を主張して遺産分割に臨みました。結果、特別受益そのものを理由に不平等を解消することまではできませんでしたが、それでもある程度、依頼者様の意向を容れた解決に至ることができました。
特別受益そのものは認められませんでしたが、依頼者様としては、それまでの不平等な扱いを訴える場ができたこと自体、有意義なことだったようでした。遺産分割では、なかなか法律的には取り上げにくい感情も複雑に絡まっていますが、そういった感情も含めて解決していければと思っています。