この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
ご依頼者は、元夫と離婚した後、大学生の長男と専門学校生の二男と共に生活していましたが、元夫は、養育費を支払おうとしません。ご自分でお調べになり、すでに成人していた長男については養育費の請求は難しいとお考えになり、二男の養育費を求める調停を申し立てました。ところが、調停手続の中で、算定表によれば月5万円ほどであると言われ、納得できないとして私の所にご相談に見えました。
解決への流れ
長男も二男もアルバイトをしながらMさんを支え、しかも向学心旺盛で、3人とも体力の限界まで努力していました。相手方は調停には出頭しないままで審判の手続に移りました。不安な要素も多くありましたが、考えられる限りの特殊事情の主張立証を重ねた結果、二男が卒業するまでの2年後まで毎月14.5万円の支払を命ずる審判を勝ちとることができ、給与の差押手続によって全額回収することができました。
私はご依頼者と2人の息子さんの姿勢に感銘を受け、なんとか卒業まで学業を全うしてもらいたいとの強い思いを抱きました。現在の裁判所では、養育費は、基本的に算定表によって金額が算定されることになっています。しかし、算定表に形式的に双方の収入を当てはめて出てくる金額は、あくまで原則であるに過ぎず、適用するに当たって、さまざまな修正要素があり、この修正要素と修正のための計算方法については、公開されていないことも多く、十分な研究が必要でありますが、この点に習熟していない弁護士も多いように感じます。