この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
正社員として働いていた男性からの相談です。長年趣味のパチンコを続けていましたが,少しづつパチンコにかける金額が増えていき,借金をしてまでパチンコにのめり込むようになりました。借金の返済が間に合わないようになり,ご相談され,債務整理をご依頼いただきました。
解決への流れ
安定した収入をお持ちでしたが債務額が多額であったため,返済していく方向での債務整理の方針は採れず,やむを得ず破産を申し立てるということで進めることになりました。ご相談者様は,当初,会社や家族に知られずに破産を進めることを希望されており,希望に従って手続きを進めていました。しかし,打ち合わせを重ねていくうちに,パチンコに極めて高額を費消していたことが明らかとなり,返済不能の状況にある現在もパチンコ・ギャンブルに強く気持ちが向いてしまっていることがわかりました。そこで,ご家族の協力も得て,ギャンブル依存の専門機関に通院していただくことなどを内容とする,依存症に対する治療計画を策定し,破産申し立て準備に平行して実施しました。相談者様は「家族のためにも生活を立て直したい。」とのお気持ちから,破産申し立てにのための打ち合わせを積極的にしていただき,熱心に治療計画を実施してくださいました。そうした前向きな姿勢が功を奏し,速やかに破産を申し立てることができるとともに,円滑に免責許可決定を受けることができました。
債務整理は健全な生活を取り戻すことを目的とした手続きであり,債務の返済を免れたり,返済額を減額することはそのための手段であると考えます。この事案では,単に破産の手続きを成功させただけではなく,ギャンブル(パチンコ)依存症の治療にもともに取り組むことで,これからの生活を健全化するための足掛かりを得ていただきました。健全な生活を取り戻すという目的に即した,良い流れを作ることができた事案です。